闇金業を開業するには?


闇金融を始めるにはいくら必要で、何が必要になるのか?

今回は、これを題材にしていきたい。

*注:決して闇金開業を支援、推奨するわけではない。この事は念頭に入れておいてほしい。

まずは、何が必要になるのかを説明する。

何が必要になるのか

まずは、闇金業に必要不可欠な「三種の神器」になる。

・携帯(他人名義のレンタル携帯など)

・口座(他人名義の口座)

・名簿

まずは、この三つが揃わないと全く話にならない。

また、これらを入手するには「何かしらのコネクション」は必要になる。なのでまったく入手ルートがない状況ならあきらめた方が良い。

なぜなら通常(ネット上で簡単に検索できるほどの情報)では、なかなか手に入らないものであり、もし簡単に入手出来たとしても、それらの多くは「使い物にならない様なもの」でしかない。

仮に名簿が無くてもウェブ媒体などで「即日キャッシング・ブラックでもOK」のように安く広告を出し集客できるが、闇金開業初期は積極的に勧誘していかないと軌道に乗りにくい。

そしてこれらを前提的に揃ったら、次は箱(営業場所となる物件)が必要になる。営業場所と言っても多くは看板を挙げて営業するわけではないので、小さい規模ならマンションの一室程度で十分になる。

また、物件の選び方(立地条件)も必要になって来る。詳しくは書かないが、例えば闇金業者がガサ入れされるのは必ずしも「利用者の告訴」などによるとは限らない。不審に思った近隣、管理人のタレこみの場合もあると言うこと。

また、規模にもよるが在籍屋(アリバイ会社)やペーパーカンパニーなどで「他業種の法人格」として箱を借り、実態としては闇金業を行う事もある。組織的な場合そうすることも多い。

そして、次に必要なモノは「人」である。これも規模によってくるが、最低でも2、3人くらいは必要になる。闇金はとにかく貸し付けを行わないと利益にならない、そのためには一人だと新規顧客を獲得するのに時間がかかり過ぎる。

また、この人材に関してであるが2000年初期頃までは普通に求人広告を出していたことが多い。誰もが知っているような某有名求人雑誌などである。

なぜ問題なかったのか?であるが、

そのころまで闇金業者の多くは貸金業の免許を取得し、登録業者として営業していた。ゆえにそこまで問題視されてはいなかった。

現在では大々的に求人を行うことはないので、その多くは誰かの縁故など友人、知人、先輩、後輩またそれらの繋がりある者など募る事が多く、全く知らない者を使うことはあまりない。

その理由と一つとして、すぐに飛ぶ者(きつくてバックれる)も多く、そうなれば内部告発などのリスクが高まるからである。

また個人で始める、あるいは始めようとする者もいるがその多くは経験者であることの方が多いであろう。断定はできないがまったくゼロの状態(知識、経験、繋がりなど)からではハードルが高すぎるからである。

中には何か本業(現在の仕事)の傍ら「副収入になればと」思い、始めようと考える者もいるかもしれないが、それは止めておいた方がいい。必ずリスクが存在するので何かあれば最悪本業も続けてはいけないだろう。

細かく説明するとこれら以外にも必要なモノも出てくるが、最低でも上記の3つは必要不可欠になる。

いくら必要になるのか

これも、規模によって変動するがまずは上記の3つを用意するための金が必要になる。

その後、貸し付けを行うための元金が必要になるが、最低でも200~400万は必要である。この数字は現在の闇金業者で、かつ2~3人規模の見積もりである。

規制も緩く闇金最盛期の頃、多くの闇金業者の開業資金は800万~1000万位で、さらにその資金を回収し終える期間は1~3ヶ月位であった。

「資金を回収」とあるが、これは初期に投じた額(元手の元金等に使った金)を回収するまでの期間でありそれらが回収し終えないとそれまでは赤字の計算になる。

その時代の闇金の利率は月300~400%、あるいはそれ以上が多かった。それゆえ回収までの期間も短かったが現在はその頃よりも圧倒的に利率も低い一般的によく言われているソフト闇金も多い。

そうなれば、元金回収までにより多くの期間が必要になり、さらに最初の1ヶ月目はほとんどは赤字である。

この「赤字」と言うのは、そもそも元金全てを貸し付け切れるかどうかは分からない。仮に元金400万を用意して、一人平均3万で融資した場合400÷3で大予想133人の顧客が必要になる。

融資額のバラつきを考えたとしても80~100人に貸し付けなくてはいけない。土日振り込みができないとして、平日数えで20~22日前後とした場合1日に最低でも3、4人の顧客を獲得しなくてはならないわけである。

さらに、貸し付けた客が皆ジャンプするとは限らず一回で完済し再融資を受けない者、支払いが出来ない者(コケ、コゲ:詳細は闇金用語一覧)も出てくる。

また、名簿の量や質、従業員の能力によっても変動してきてしまう。つまり、特に立ち上げの1ヶ月目はとにかく貸し付け金を増やさなくては軌道に乗らず経費(人件費、箱代、電話代、名簿代等)だけがかかってしまうわけである。

初月で上手く貸し付けを増やせても店が上手く回り始めるのは2~3ヶ月目位なものである。そのため闇金業者は1日に100件近く、あるいはそれ以上に融資の勧誘や申し込みの対応を行いひたすら顧客獲得をしていく。

逆に貸し付けるための元金が足りなくなるケースもある。

その場合、誰かに資本金を借りなくてはいけない。かつては、いわゆる金主(出資者)に借りることも多かったが、おそらく現在の闇金業者は闇金最盛期頃程の規模で組織化されていることも少なく、小規模、中規模辺りであろうから金主がいない場合どこかから用立てることになる。

現在でも組織化されグループで行う闇金業者もいるが、規模自体は縮小しているであろう。闇金は軌道に乗らすには貸し付けを行わないと始まらないし、貸す金が足りず用立てれない場合利息入金分の利益からどんどん補充していかなくてはいけなくなる。

元金が少なすぎるとそういった事態も起こり、それらの回収までの期間がどんどん長くなってしまうわけである。なので元金は多くあることにこしたことはない。

闇金従業員のノルマ

ノルマを課せ「一日に新規客を何件だせ!」と指示する場合もある。仮に直接的にノルマを課せなくても暗黙の了解的に「新規を出さなくてはいけない」と言った空気は必ず存在する。

実際に新規を出せない従業員の多くは脱落(辞めていく)していくものである。

しかし、これは闇金業者に限った事ではなくどこの企業でも同じような事であると思う。

例えば、かつて(求人を大々的に行っていた頃)多くの闇金従業員の給料は25万で、三か月後から25万+歩合と言った感じであった。その場合早く新規を出せるようになり最低でも月25万円分の利息を稼いでもらわねば、その人材の人件費分は赤字になってしまう。

それゆえ、さっさと新規を出せるようになって貰わねば困るわけである。先ほどにも書いたように闇金に限らず営業関係の仕事なら「最低でも貰ってる給料分は利益を出せ!」が上司の本音であろう。

企業などはそういった本音を直接言うことはほとんどないだろうが、闇金の場合直接言って煽る事もある。

また、友人達のみで行ってる闇金業者もいるであろうが、上手く続かないものである。横関係しかなく関係性がなあなあになってしまうと組織としては統制できず分裂してしまうことも多い。

特に闇金などは徹底的な上下関係が存在するがゆえに組織統制がなされ、それが妥協なき新規獲得に繋がっている。

規模によるメリット・デメリット

組織規模によるメリット・デメリットであるが、最大のメリットは「情報共有」できることである。

顧客情報、他のさまざまな情報が共有することで客層を選別していくことも出来る。例えば新規客が他店で借りているかどうか、過去に何かトラブルを起こしていないかなど、グループ化され他店との繋がりがあればより多くの情報が集まる。

そのことで、焦げつきそうな融資を避け客の質を高めていくことも出来るのである。情報がなければ「感覚」に頼るしかなくなる。

デメリットは、より上下関係が厳しくなることで下の者はより厳しい境遇にさらされてしまうこと、それと店舗同士での競い合いが生まれてくることでる。

これらは、デメリットとメリットの両方の性質があり、上下関係が厳しいほど統制が取りやすく、競い合うことで利益の追求がなされる。その反面従業員の入れ替わり(バックれ)も増え、競い合うことで増えるリスク(客が潰れやすくなる、取り立ての厳しさゆえの弁護士、警察の介入など)がある。

まとめ

ざっくりとした内容であるが「闇金業を開業するには?」これらの様な事柄(前提的に必要なモノ、元金、貸し付け、売り上げ管理、規模等)を考える必要がある。

細かく言えばもっとたくさんの事柄(例えば弁護士、警察が介入してきた場合どうするのか、営業時間はどの位にするかなどなど・・・)も考慮する必要があり、初期で軌道に乗れず撤退する者もあるいは貸倒れ潰れていく業者も多い。

また、なぜこのような記事を書いたかと言えば「闇金経営」「闇金開業」「闇金を始めるには」・・・などなど、そのようなキーワード検索で訪問してくる者も多い。

始めたいと本当に決断し、それが本気なら自己責任の元始めたらいいと思うが「片手間に副業で儲かりそうだから」など安易に考えている場合も考慮して今回この記事を書くに至った。

なので、上記の最低限の事柄をクリアできたことを前提に始めたいと決意したならば、それはその個人の勝手なので止めはしないが。

そして、最後にもう一度念を押して言っておくが、

決して闇金開業を支援、推奨するわけではない。


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