闇金業者対詐欺師

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ここで説明する「詐欺師」とは、闇金を標的にした詐欺師のことで、一般消費者を狙う詐欺のことではない。

闇金詐欺とは

映画やドラマでも登場することがあるが、闇金融から詐欺を行う個人、あるいは集団のことである。今はそういう集団はほとんどいないと思うが、かつては(特に、実店舗型のシステム金融が最盛期だったころ)組織的に行われていた。

通常、闇金業者は申し込みを取り在籍確認を一通り行う。(詳しくは闇金融業者の融資までの主な流れを)そこで、不審な点がないかなど篩(ふるい)にかけられるわけだが、闇金詐欺は組織的にやっているので、在籍確認などはほぼ通過する。

会社の在籍には「在籍屋(アリバイ会社)」など使ったり、あるいは実体のないペーパーカンパニーを設立し在籍確認を通過させたりする。また、自宅、身内などの緊急連絡先も104登録をし、在籍確認用に用意している。

さらに、「ツケ」をとっても「該当なし」の場合も多い。

ここまでで何の問題もなければ、通常は融資ができるのでその後、融資条件などの説明がなされ融資されるわけである。

一見すれば完璧な詐欺に思えるだろうが、騙される場合と騙されない場合がある。場合と言うより者と言った方が的確かもしれない。

騙される者と騙されない者

結果から言えば騙される者は経験が浅い者で、騙されない者はそのような経験、場数を踏んでいる者になる。

経験の浅い闇金従業員は「新規を出したい(新規融資をたくさん成約させ認められたい)」と言う意識が強すぎることも多く、また、経験も浅いがゆえに不審な点に気付きにくい。闇金に限らずだが。

闇金業者が一人で一日に対応、電話勧誘をする数は100以上は当たり前である。そして、何百、あるいは何千人と数をこなしていくと電話の話し方、雰囲気で「特徴」が分かってくる。

これは、書物や情報を調べたり勉強したりし得られる知識と言うより、スポーツのように体験を通して得られる経験知的なもので、何百、何千人と人を見てくると「なんとなく分かってくる」ものである。

つまり、いくら在籍確認で問題なくても「なんか怪しい」と感じてくるのである。そして、その疑念を相手の言葉の端々から検証していく。

「疑念」をどうやって検証するのか

例えばだが、申し込み内容に関しても通常のサラ金では聞かれない内容も聞かれる。闇金融をまったく使ったことがなく、かつ、申し込み自体ほかでしたことがないのであれば、パッと答えられない住所や電話番号もある。

躊躇なく簡単に答えられるということは、「どこかで申し込みをしたことがある」可能性も考えられるし、詐欺師なのであれば聞かれる内容はあらかじめ用意している。なので、詰まることなく答えられる。

そして、その疑念はさらに検証される。他の業者からの借り入れもなく、申し込みも初めてと言う申告をしているのであれば「短期:短期業者」の意味はほとんど知らない。これは、闇金業者の別名であり闇金業者はそれを「短期:短期業者」と呼んでいる。

つまり、闇金業者で利用、申し込みしたことがある場合、「今、短期使ってませんか?」と言う質問で闇金のような短期返済の業者だと理解できる。なので、躊躇なく「いや、使ってないですね」などの返答をしてくる。

もしも、本当に初めてなら、何のことかわからないので「短期ってなんですか?」など、短期についての質問をしてくることが多い。

そして、「何かを隠そう」「騙そう」とする人間は常に「相手に怪しまれないように」と考えている。その思考が強ければおのずと、物腰の柔らかく真面目な人間を演じ「良い印象」を与えようとする傾向にある。

また、融資の話しでは、あえて凄まじく悪い条件を提示してみる。

例えば「今回は1万円でしか融資が難しく、返済は五日後で3万になる。ただし、しっかり信用と実績さえつけてもらえれば、もっと好条件で融資が可能になる」などで、短期を知っている、使っている者であっても考えるような条件である。

詐欺師や返す気のない者は、基本的に返済のことは考えていない。なので「返済額」よりも「融資額」に執着することが多く、この悪条件にもかかわらず「もう少し融資ができませんか?」など少しでも多く借りようとする。

業者が「1万5千円だと、完済が5万になってしまうよ」と吹っかけたとしても、詐欺師は「仕方ないです・・・でも信用、実績がつけば条件が良くなるんですよね?」などと最終的に借りていく。

もちろん例外もあり、あえて、強気で「高いと使わない」などゴネ、普通の客を装う場合もあるが、最終的には高くても持っていく。

他の闇金で借り入れが何件かあり、今日の支払のことしか考えてない場合などは、持っていく可能性も高いが、それでも返済額を見てくる。

これらは、一例でしかないが闇金業者はさまざまに「カマ」をかけたりし「疑念」の検証を行っていく。

また、詐欺師にとって最初に借りる「一件目」は非常に重要になる。なぜなら、詐欺師は闇金が情報を共有し、その情報をもとに他の闇金業者が融資の勧誘をかけてくることを知っている。

なので、一見目が好条件であれば、他の業者もそれを基準に設定をしてくるので、より多く騙し取ることができるのである。一件目ふるい落とされたり、しょっぱい金額であれば他の業者もスルーする可能性もあるあからだ。

そして、詐欺師の特徴の一つとし、午後の2時過ぎに申し込みをしてくることが多く、これは、業者側の「今日中に一件でも多く新規を出しておきたい」などの心理を利用し、時間をぎりぎりにさせ決断を急がせる思惑である。


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