転送電話は、説明するまでもないだろうが、これは、かかってきた電話を携帯電話などの端末機に転送され電話を受けることができる仕組みである。
逆転送の仕組み
では、逆転送とはどのようなものかだが、この場合は、端末機などから03-AAAA-ABAB、06-AAAA-ABABAなどの特定の電話番号を用いて電話をかけることが出来るものである。
大まかに仕組みを説明すると、逆転送するには2つの番号が存在する。一つは、かけたい相手に表示させる番号、下図でいうと「03-AAAA-ABAB」がそれに当たり、そして、もう一つはその番号で相手にかけるようにするための番号で「03-AAAA-BBBB」がそれにあたる。
簡単に言うと「03-AAAA-ABABで発信しろ」と命令をするための番号、ミサイルで言えば発射ボタンのようなもので、その番号にかけ、相手の番号をプッシュ入力し、発信される。
また、このシステムは逆転送サービスを行っている業者によって、操作方法が多少異なる。例えば、相手の番号入力の前に「暗証番号」を入力し、入力された暗証番号が認証されれば逆転送を行えるなようになるなどもある。
これらの、転送や逆転送の多くは、私設書箱(郵便物や荷物の受け取りを代行するサービス業でその住所を使うことができる)が同時に電話代行業としてサービス提供していたり、レンタル携帯サービス業者で契約ができ、料金を払えば誰にでも使用ことができる。
また、2008年の「犯罪収益移転防止法」施行前は、偽名やでたらめな住所記載でも契約できるほど簡単な私書箱も多くあった。
本来、このようなサービスのは、イベントなど電話受付用の回線のためだったり、まともな利用を目的としたサービスであるが、現在でも無店舗型の闇金融業者の多くに使われているのも実情である。
闇金融業者がこの仕組みを使う主な目的は、告訴、告発による捜査を難航させ、摘発、逮捕リスクを軽減させるためと、融資勧誘の際、相手に「090金融のような怪しい業者じゃなく、固定回線のある、まともな金融業者」と思わせ「警戒心を和らげ信頼させる」ことにある。
この逆転送は、2003年(平成15年)の、とある事件後から闇金業者の多くが使い始めた。(詳しくは、闇金融業者の形態変化と流れで)
さらには、同じような目的で、闇金融業者にとどまらず、さまざまな詐欺にも悪用され、実際このような手口によって「ちゃんとした会社ぽかったから」と騙されてしうケースが非常に多いのも事実である。
当然、騙し欺こうとすることは許されるものではない。しかし、同時に「何が、信用、信頼、安心、安全なるものなのか」の判断材料を「090だから」「固定電話番号だから」さらに言えば「個人だから」「会社だから」といった、先入観や思い込みは大禁物だ。